社会情報学会(SSI)九州・沖縄支部 若手研究会

社会情報学会(SSI)九州・沖縄支部 若手研究会

 

日 時: 2017 年 2 月 10 日(金)15:00〜

場 所: 九州大学箱崎キャンバス(貝塚地区)経済学部棟510A

 

《プログラム》

 

報告 1.「ASEAN のサービス貿易に関する実証分析

 ―AFAS 新パッケージの自由化度の計測及び東アジアの主要 FTA との比較分析」

 〇 猿渡剛(九州大学大学院 経済学研究院 専門研究員)

 

要旨

本報告では、ASEAN サービスに関する枠組み協定(AFAS)の下で実現したサービス貿易の自由化度を計測し、他の東アジア主要国が署名してきた FTA の下での自由化度と比較することで、AFAS の評価を試みた。本報告の結論は以下のようにまとめられる。ASEAN 全体としては教育サービス、環境サービス、健康・社会事業サービス、2010 年代以降はその他のサービスの貿易自由化が特に進展した。すべての ASEAN 加盟国が自由化を進めており、とりわけミャンマーやブルネイの自由化が著しく進んでいる。また、ASEAN 域内のサービス貿易自由化の水準は中国や韓国の水準を追い抜き、日本の水準に接近していることが分かった。

AFAS は ASEAN 域内のサービス貿易自由化に貢献し、ASEAN を東アジアの一大自由貿易地域へと押し上げたと評価できる。

 

報告 2.「Leapfrogging 型経済発展と格差の研究―インドと中国の比較を手がかりに―」

 〇 王瑋(九州大学 経済学府)

 篠崎彰彦 (九州大学経済学研究院教授)

 

要旨

インドと中国は急速な情報化を背景に高い経済成長を遂げている。両国の経済発展は、伝統的な「雁行形態型発展論」や「チャッチアプ型工業化論」が示す過程とは様相を異にし、「蛙飛び型発展(Leapfrogging development)」と指摘する先行研究も多い。ただし、情報化を一つの共通要因としつつも、両国経済には多くの異なる特徴が観察されるほか、技術革新による成長の過程では、様々な格差問題も生じている。本報告は、格差研究の観点から、まずLeapfrogging development に関する先行研究をレビューし、概念の起源と変遷を整理する。

その上で、インドと中国の経済発展を Leapfrogging development の枠組みで比較し、両国経済の相違点を考察するとともに、技術革新と経済発展と格差の関連性を探り、今後の研究課題を検討する。

 

 

報告 3.「今なお終わることのできない水俣病事件史を『伝える』ネットワーク形成

 −水俣学データーベース・アーカイブ作成事業」

 〇 井上ゆかり(熊本学園大学水俣学研究センター・研究助手)

 花田昌宣(熊本学園大学水俣学研究センター長)

 守弘仁志(熊本学園大学社会福祉学部教授)

 

要旨

公式確認後 60 年となる水俣病は世界的に知られ、その教訓を国内外に発信する

ことが求められている。熊本学園大学では、水俣病事件の全体像解明を基礎に新た

な学術分野と方法論を開拓すべく水俣学研究センターを設置し、収集した資料を「水

俣学研究センター所蔵資料データベース」として公開しているが、さらに水俣病を視覚的

に理解してもらえるように作成した「水俣学アーカイブ」を公開している。データベースとアーカイブの整理・保存、活用、課題の観点から、今なお解決をみない水俣病事件を次世代に伝えるネットワーク形成の現状を紹介する。 


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