第一回社会情報学会(SSI)九州・沖縄支部総会&研究会報告

開催日時 平成25年11月22日(金) 13:30〜17:30
場所 福岡大学(福岡大学 文系センター棟15階 第7会議室)

総合司会:河又貴洋(長崎県立大学)

第1部 地域情報化の行方(13:30〜15:20)

1−1 『地域情報化で地域経済を再生する』出版記念講演
      (熊本大学・山中守)


1−2 「福岡大学都市空間情報行動研究所(FQBIC)の研究成果から」
       (福岡大学・斎藤参郎)


討論




第2部 自由論題研究発表(15:30〜17:30)

2−1 「郷土かるた『ひむかかるた』を用いた地域イメージの再生
          ・創造による地域活性化、その社会実験の経過と課題」
            (関東学院大学・新井克弥、宮崎公立大学・梅津顕一郎)
  本発表は2006年から発表者が継続して実施している、郷土かるた「ひむかかるた」による地域活性化プロジェクトについての報告である。本プロジェクトでは「かるたという遊びを通して小学生児童を中心に宮崎という地域イメージを再生・創造させる」という意図に基づいてかるた普及活動を展開してきた。具体的にはかるたの制作、年一回の宮崎市内の小学校児童を対象とした大会、小学校での授業・総合的な学習の時間やクラブ活動への取り入れ、老人福祉施設での活用、さらにはかるた活動を媒介とした地域メディア関係者の連携によるメディアによる地域活性化活動等である。発表では、このような社会実験が実際にどのように地域活性化、とりわけ児童における地域イメージの形成に効果を及ぼすかについて報告するとともに、今後の課題等についての議論を投げかける。

2−2 「テキストマイニングを用いた「ゆるキャラ」の分析」
           (早稲田大学大学院・吉見憲二)
  近年は、地域活性化の切り札として地域の特性を活かしたキャラクター、いわゆる「ご当地キャラ」、「ゆるキャラ」といったものが著しく流行している。「ゆるキャラ」はソーシャルメディア等の今日的な情報通信手段との相性も良く、地域の魅力やイベントのPRにおいて大いに貢献している。しかし、あまりにも「ゆるキャラ」の数が増えたことによって、ただの可愛いキャラクターというだけでは差別化が難しくなってきている。一方で、従来の「ゆるキャラ」の枠に捉われない斬新なキャラクターも誕生しており、多様性をもった競争が繰り広げられている。本研究では、ソーシャルメディア上の発言をテキストマイニングの手法を用いて分析することによって、そうした「ゆるキャラ」の特性について明らかにすることを目的としている。

2−3 「ICTの普及と東アジアの女子文化の関係」
           (長崎県立大学・吉光正絵)
   本報告では、ソーシャルメディアの利用状況や各国のポピュラー音楽、ドラマの受容などのメディア利用と、整形希望や化粧、顔の評価といった容貌に関する自己認識の関係について、日本、韓国、中国の女子学生を対象に実施した量的調査の結果から考察する。日本には「プリクラ」、「写メ」、「デコログ」の例に見られるように、デジタル技術を駆使して自作自演で作り上げた「かわいい」自己像をICTによって共有することで親密な共感のネットワークを作り出すギャル文化とも呼ばれる文化形式がある。韓国にもネット対戦で顔の優劣を競う「オルチャン」と総称される女子高校生文化がある。中国でも「80后」や「90后」と呼ばれる1980年代や1990年代生まれの女性達が全身写真をトップページに置いたブログで、エンゲージメント数やランキングを競いあっている。中国のファッションや音楽サイトでは「欧米系」とともに「日系」や「韓系」といったジャンルもあり、日本や韓国の最先端の流行を追う女性も多い。一方で、このように有名になった女子達や日本や韓国のアイドル達の化粧や整形の技術が各国のサイトで取り上げられることも多い。「かわいいは作れる」という言葉に象徴されるように、デジタル技術やICTの普及はオンラインでの自分の容貌や評価を納得がいくまで作り出すことを可能にする一方で、「つけまつげ」や整形といったオフラインの容貌への人工的介入に対する欲求も高めてきたと考えられる。

2−4 「グローバルなICT普及と格差・発展の研究」
            (九州大学大学院・篠彰彦)
  本稿では、ICT(情報通信技 術)の普及が経済の発展と格差に及ぼすグローバルな影響について、国際的な議論がどのように変遷してきたかを跡付けた後、その背後で、どのような実態の動きがあったかを、現時点で利用可能ないくつかの長期統計にもとづくデータベースを構築し、動的な観察と分析を行った。その結果、第一に、国連のミレニアム開発目標と連携したUNCTADの 取り組みが象徴するように、当初はデジタル・ディバイトなど技術格差がもたらす影の側面に関心が集まったが、2000年代中盤からは貧困の撲滅や雇用の創出など途上国の経済発展に向けた光の側 面が注目されるようになったこと、第二に、ICTの 普及などに関する世界約200カ国・地域の長期 データで動的に俯瞰すると、論調の変化と期を同じくして、携帯電話やインターネットが教育水準や所得水準を問わず世界の隅々にまで急速に普及 しデジタル・ディバイドが縮小していることなどが明らかとなった。



第1回地域社会情報学研究会(2013)
November 22, 2013  [第 1 版、第 1 巻]


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